タイには、タイ人にも外国人にも人気の観光地のひとつ、古都アユタヤがあります。
バンコクから北へ列車で約2時間。日帰り観光も十分に楽しめて、2025年のいま、ますますその魅力に引き込まれています。
従来はツアーやバス、ロットゥー(ミニバン)で訪れる方が多かったですが、最近は「鉄道旅」の人気が再燃中。
ゆったりとした列車の揺れの中で、あの古都アユタヤの石造りの遺跡群へ向かう贅沢な時間――。知られざる鉄道ルートを一歩踏み出してみませんか?
国鉄列車で約2時間!世界遺産「アユタヤ」の魅力と行き方を紹介
アユタヤってどんなところ?
アユタヤは、タイの世界文化遺産の代表格であり、1351年から1767年まで約400年間にわたり、栄光あるアユタヤ王朝が築かれた地です。
250年以上前にビルマ(現ミャンマー)軍によって破壊され、そのままの姿を今に伝える遺跡群。あの有名な「仏頭が根に取り込まれた木」が象徴するように、時間の流れと共に自然と歴史が溶け合う場所です。
煌びやかなバンコクの大寺院群とはまた違う、風情ある静かな時間が流れる古都――それがアユタヤの魅力です。
2025年の今も、多くの人々を惹きつけ続ける“時を超えた美”を、ぜひ体感してほしい場所です。
アユタヤまでの所要時間と列車の楽しさ
アユタヤ行きの列車は、バンコク中心部のフアランポーン駅(Bangkok Hua Lamphong Station)から発着。今もMRT地下鉄と乗り継ぎが便利で、アクセスのしやすさは変わりません。
2025年現在では、一日に多数の普通列車(Ordinary)や快速(Rapid)、急行(Express)、特急(Special Express)が運行中。普通列車で約2時間、急行で1時間20分から1時間半ほど。
ただし列車ならではの“ゆるり感”もあって、発車の遅れやホームでの入線待ちがあることも、むしろ旅の味わいです。早めの到着と余裕のスケジュールがおすすめです。
駅から観光名所への移動
アユタヤ駅は観光地へのアクセスがとても便利な場所にあります。駅から川向こうへ渡る渡し船に乗れば、歴史ある寺院群がすぐそこ。
代表的なスポット「ワット・マハタート」へは徒歩20分。でも2025年の夏は日差しが強く暑さも厳しいですから、私は自転車レンタルを心からおすすめします。
以下、便利なレンタル情報:
- 船着き場そばのサイクリングショップ:
住所:アユタヤ駅近く、チャオプラヤー川岸(正確な店舗名は現地で要確認)。アクセス:駅を出てすぐ、川に向かって右手側。 - 営業時間:午前8時~午後6時(繁忙期は延長の場合あり)。
- 料金目安:1日レンタルで約50~100バーツ(2025年夏時点)。
自転車で回ると、夕暮れの遺跡群をゆっくりと回れ、石畳の道に風がそっと吹き抜ける瞬間がたまりません。
ランチやカフェ、お土産スポット
アユタヤの街中には、歴史とモダンが融合した素敵なカフェやお店も増えました。
おすすめのスポット:
- カフェ「Ayutthaya Blossom」
住所:Naresuan Rd, Pratuchai, Ayutthaya District, Ayutthaya 13000
アクセス:ワット・マハタートから徒歩10分。川沿いロケーションで、〈アユタヤ風かき氷〉や〈抹茶ラテ〉が人気。 - ギャラリーショップ「Temple Treasures」
住所:Soi Uthong, Ayutthaya District, Ayutthaya 13000
アクセス:アユタヤ駅前からトゥクトゥクで約5分。地元アーティストの陶器やアクセサリーが手に入ります。
歴史の合間に、ゆったりした時間に浸れる小さなお店がまた、いいんですよね。
帰路は優雅に列車でバンコクへ
帰りは、行きと同じく渡し船で川を渡り、アユタヤ駅へ。駅に戻ったら、できれば帰りの列車の時刻もチェックしておきましょう。
夕方時刻の列車は混み合うこともあるため、少し早めに待合室などでゆったり過ごすのも一つの楽しみです。
自家用車での移動も可能ですが、2025年現在、アユタヤ周辺では観光客や物流の増加により交通渋滞が予想外に発生することもしばしば。列車の安心感と風情ある旅の余韻を味わうには、やっぱり鉄道がいちばんです。
2025年以降のアップデートポイント
● 駅構内に新たな案内板や観光インフォメーションコーナーが設置され、外国語対応がより充実しました。
● 一部の快速・特急列車では無料Wi-Fiサービスが試験導入されており、車窓から写真をすぐシェアできたりと便利です。
● サイクリングロードに案内マークが追加され、自転車初心者でも安心して回遊できます。
まとめ:アユタヤで感じる「時間のゆらぎ」と私のしあわせなひととき
列車の揺れのなかで岸辺がゆっくりと流れていく風景、そして朽ちた遺跡にそっと降り注ぐ柔らかな光――。そんな時間のなかにいると、「旅をしている」という実感がじんわり広がります。
アユタヤは、ただの観光地ではなく、“時を超える場所”として、2025年も私たちを優しく迎えてくれます。
初めて訪れたその日、私は夕暮れの遺跡を背に、自転車のハンドルに軽く頬ずりしながら、「明日もここにいたい」って思ったんです。
列車旅のゆるやかさ、歴史の深さ、細やかな観光の充実……。アユタヤは、私にとって、そんなしあわせな時間を教えてくれた“大人の遠足”でした。
みなさんも、ぜひ列車に揺られながら、心にそっと響く“アユタヤ時間”を感じてみてください。
列車の揺れのなかで岸辺がゆっくりと流れていく風景、そして朽ちた遺跡にそっと降り注ぐ柔らかな光――。そんな時間のなかにいると、「旅をしている」という実感がじんわり広がります。
私の感想
2025年夏、私がアユタヤを訪れたとき、列車の窓から見える水辺の景色にまず心を奪われました。車内のゆったりとした空気と、外のきらめく光の対比がとても印象的だったのです。
自転車で遺跡を回り、風が頬をなでるたびに、過去と現在が交差するような不思議な感覚に包まれました。遺跡の中に立って耳を澄ますと、まるで歴史の息遣いが聞こえてくるようで……。
この街は、ただ眺めるだけではなく、五感を通して“感じる”場所です。訪れるたびに新しい発見があり、そのたびに「また戻ってきたい」と思わせてくれる――そんな場所がアユタヤです。