昨今、世界的なインフレや為替変動はタイにも確実に波及しています。特に近年の日本円安は、タイに長期滞在・移住する日本人や、旅行者にとって物価上昇をより強く実感させています。
タイの経済自体も成長を続けており、都市部を中心にタイ人の平均給与水準も上昇傾向にあります。このため、「物価が上がった」と感じる局面も決して少なくありません。
とはいえ、東南アジアの中でもタイは依然として物価が比較的安い国として知られています。ただし分野によっては日本並み、または日本以上に高いものもあり、物価の安い商品と高い商品がはっきりと分かれています。
ここでは、物価が安いもの・日本と同程度のもの・高いものを項目ごとに詳しくご紹介します。2025年を見据えた最新情報も盛り込みましたので、是非ご活用ください。
【2025年更新】タイの最新物価事情
タイで価格が安いもの(2024~2025年)
2025年3月時点 為替レート目安:1バーツ = 4.5円前後
※為替レートは変動中。2022年頃は1バーツ3.5円台でしたので、日本円に換算した場合の体感価格は円安により大幅上昇しています。
食品・日常消費財
- ペットボトル飲料水(500ml)・・・7バーツ~
- ペットボトルコーラ(500ml)・・・22バーツ~
- 缶コーヒー(180ml)・・・20バーツ~
- タイ米(5kg)・・・220バーツ~
- インスタントラーメン・・・12バーツ~
- カップラーメン・・・19バーツ~
- ポテトチップス(1袋)・・・22バーツ~
- 菓子パン・・・18バーツ~
- 屋台の果物(1袋・例:熟していないマンゴー)・・・30バーツ~
- 屋台のアイスコーヒー・・・28バーツ~
- 屋台寿司(1個)・・・12バーツ~
- 缶ビール・・・53バーツ~
- 塩・砂糖・調味料・・・ローカル産は非常に安価
- 地元野菜・・・28バーツ~
家電と日用品
- 扇風機・・・320バーツ~
- 電気ケトル・・・270バーツ~
- Androidスマートフォン(中国系メーカー)・・・3200バーツ~
- 痛み止め薬(2回分)・・・11バーツ~
- シャンプー(500ml)・・・155バーツ~
- ローカルTシャツ&服(屋台)・・・130バーツ~
- 屋台サンダル(ミュール)・・・105バーツ~
- 32型液晶TV・・・5200バーツ~
- 洗濯機・・・5600バーツ~
- 冷蔵庫・・・5400バーツ~
- 炊飯器・・・420バーツ~
- 屋台サングラス・・・85バーツ~
店舗&レストラン
- 屋台/フードコートのタイ料理1食・・・70バーツ~(ローカル向けは依然割安)
- タイ式焼肉食べ放題(ムーカタ)・・・330バーツ~
- タイスキ食べ放題・・・370バーツ~
- タイマッサージ(1時間)・・・270バーツ~
- 庶民的なレストラン(一皿)・・・130バーツ~
その他費用
- 映画館料金・・・230バーツ~(シネコンでは200B台後半も)
- 水道料金(月額)・・・300バーツを超えることは稀
- メータータクシー初乗り(2km)・・・37バーツ~
- 長距離バス(2時間程度)・・・110バーツ~
- 市バス・・・8バーツ~(エアコンなし)、エアコンバスは16バーツ~
- アパート家賃(プール・ジム付き、郊外新築)・・・8000~12000バーツ
- 携帯通信費(月額)・・・1000バーツ前後(データ通信込)
- レギュラーガソリン(1L)・・・30バーツ前後
- ホテル宿泊費・・・日本より割安な物件が多数
- ゴルフ場グリーンフィー・・・1350バーツ~
- 打ちっぱなし練習(1箱)・・・55バーツ~
- レーシック手術・・・80,000バーツ(病院により変動)
- 自動車免許取得費・・・日本の1/100以下(教習所費用ほぼ不要)
最新傾向と解説
タイの生活必需品やローカル生鮮食品、また屋台・フードコートでの食事は依然非常に安い水準で維持されています。
特に国内産果物(マンゴー・パイナップル等)は旬の時期には爆発的に安くなる傾向があります。
また公共交通(バス・ソンテウ等)も極めてリーズナブルな存在です。しかし最近はバンコク中心部の鉄道や一部高級スーパーの商品価格上昇が目立ちます。
物価が日本と比べて同じくらいのもの
2025年3月相場
- コンビニの入れたてエスプレッソアイスコーヒー・・・37バーツ~
- コンビニおにぎり・・・33バーツ~
- マクドナルド・ビッグマックセット・・・153バーツ~
- 日本料理定食屋・ラーメン屋・・・210バーツ~
- 板チョコ・・・32バーツ~
- スターバックス カフェラテ(トール)・・・128バーツ~
- 吉野家・松屋牛丼・・・105バーツ~
- サラダ用生野菜・・・55バーツ~
- 眼鏡(度測定・レンズ選択式)・・・1250バーツ~
- 自動車保険(任意・Aクラス/小型車/1年)・・・21000バーツ~
- 居酒屋(1人あたり会計)・・・1050バーツ~
- 電気料金(都内1人暮らし最低レベル)・・・1000バーツ~(エアコン有無で上下)
解説・トレンド
急増した都市部の日系飲食チェーン・外資ファストフードチェーンの価格帯は、日本と大きな開きがなくなっています。
また眼鏡や家電の一部も品質・サービスを求めると価格差は小さくなります。
フランチャイズ飲食チェーン(吉野家・松屋・CoCo壱など)も、現地価格は日本と同水準、その分現地民の利用率はやや低めです。
タイで物価が高いもの(むしろ日本より高額なジャンル)
2025年3月相場
- 新車(乗用車)・・・日本より高価。安価モデルでも48万バーツ~
- ゴルフクラブセット・・・日本のほうが在庫も価格も有利
- パソコン(PC・ノート)・・・同等スペックで日本より高いこと多数
- iPhone・Mac PC・・・タイは日本より確実に割高
- ユニクロ(現地店舗・公式EC)・・・概ね日本の1.2~1.5倍、セール品以外はほぼ日本より高い
- 無印良品・・・2024年も日本よりはっきり高い
- ダイソー(1品60バーツ~)・・・日本の実質2倍程度
- 自転車・・・現地では選択肢が限られ割高に感じるケースが多い
- 医療費(私立病院・外国人向け)・・・非常に高額。日本の健康保険適用外
- 一眼レフカメラ・・・家電量販系も日本より高め
最新トピック・補足
自動車(新車・中古車)価格は日本より明確に高騰しており、10年落ち中古でも20万バーツ~が一般的。理由は新車の高価格維持・中古車市場の需要集中にあります。
ハイブランド品や海外ブランド(日系含む)、デジタル機器は輸入コストの影響を強く受けるため、日本から持ち込む人が増える傾向です。
現地ダイソーや無印良品も、価格差が埋まることはなく、日常的に日本人が「日本で買った方が良い」と実感する分野です。医療も、日本語・英語対応ができる私立ホスピタルは非常に高額となるので長期滞在者は注意が必要です。
タイ物価 2025年まとめと今後の予測
タイの物価は全体的には依然として日本より安く、特にローカル向け商品やサービスはコストパフォーマンスが高い状況です。
しかし、タイ国内でもバンコク中心部や非日常的な消費、輸入ブランド、高級物件では、年々価格が上昇し、日本とあまり変わらない、もしくは上回る価格帯も増えてきました。
また、円安や国際エネルギー事情、最低賃金や物価上昇(2024年消費者物価指数上昇率:0.8%弱)などが複合的に影響し、実質的な割安感・お得感が薄れつつあります。2010年代に比べ2~3割は現地生活コストが上がったと言われるほどです。
公共サービス・交通インフラ(特にバンコクの鉄道運賃)は「東南アジア最安」の時代はもはや終わり、値上げが重なる状況です。今後10年~20年で日本との物価差は縮小し、物によっては逆転する可能性も示唆されています。
タイで長期的に生活や旅行を検討される方は、物価動向を注視し、現地事情をリサーチして効率よく消費・節約生活を楽しむことが大切です。現地の最新情報も併せて随時チェックしておきましょう!
(2025年3月時点の情報を元に随時更新中。レートや物価水準は今後も変動する可能性がありますのでご注意ください。)