皆さん、「タイ」と聞くとどんなイメージが頭に浮かびますか?
タイ料理のスパイシーな香り?
ムエタイの力強いキック?
まぶしい太陽が降り注ぐ熱帯の空や、歴史のロマンを感じるアユタヤ遺跡…
旅行経験がない人でも、きっと「物価が安そう」「仏教の国」といった共通キーワードが思い浮かぶのではないでしょうか。
私も5年前、はじめてバンコクに降り立ったときにはそんなイメージを抱いていました。
ですが、実際に現地で生活するうちに、想像と現実のギャップや、日本人にとって新鮮に映る“タイらしさ”、そして時に驚かされる文化や生活習慣にたくさん出会ってきました。
今回は、「知れば知るほど面白い!」と感じたタイと日本の違いを、じっくり掘り下げてご紹介します。
2024~2025年版、最新の現地の空気を交えながらたっぷりお届けしますので、タイビギナーさんもリピーターさんも参考にしてみてくださいね。
[最新版]タイと日本を比較!現地在住者が感じた「リアルな違い」をたっぷり紹介
国の基本情報編
・タイ人はタイ語を話し、独自のタイ文字が日常的に使われます。
タイの地方ごとに方言があり、イサーン地方のタイ語はラオス語ととても近い響き。
タイバーツ(Baht)が通貨で、2025年は1バーツ=約4.3~4.6円。現地ATMやQR決済もぐんぐん普及しています。
季節は暑季(3~5月)、雨季(6~10月)、乾季(11~2月)の3タイプに分かれ、年中どこかでスコールが降るのも日常茶飯事です。
仏教国ならではの風景が日常に溶け込み、華やかな寺院や路上の僧侶、朝セレモニーの托鉢もよく見かけます。
人口は6,800万人、日本の約半分ですが、バンコクの都市圏人口密度は東京に勝るとも劣らない迫力!
日本より2時間遅い時差で、オンライン会議などでも時差を意識する機会が増えています。
王室への尊敬は絶対的で、お札にも必ず王様の肖像が描かれています。しかもタイには不敬罪があり、日常会話でも王室の話題には要注意。
地震や台風が少なく、災害リスクが低いのも嬉しいポイント。
ただし、近年の気候変動で大雨による洪水は年々増加傾向に。
生活編
至る所にタイの国旗が飾られていて、町のコーナーごとに王様の写真を目にします。
朝8時と夕方6時に公共の場で国歌が流れる伝統は今も健在。スーパーや駅にいると、突然その場の全員が動きを止めて静かに聴き入ります。
物価は日本より安いものが多いですが、最新ハイテク家電や輸入食品は日本より高いことがよくあります。最近はインフレも実感していますが、ローカル屋台や公共交通費はまだまだ格安。
タイ人の「辛さレベル」は日本と別世界!
一緒に食事をすると“普通の辛さ”をオーダーしても日本人には刺激的!イサーン地方発祥のソムタム(青パパイヤサラダ)は特に要注意(笑)。
ほぼ全ての冷たいドリンクが「超絶甘い」ことも特徴。カフェでアイスコーヒーを頼むと、通常は大量の甘味料入り。砂糖抜きが好みなら「マイワーン・カップ」と伝えましょう。
交通手段は圧倒的にバイクタクシーとスクーター。どんな細道でも「オレンジベスト」を着たお兄さんたちが送り迎えしてくれます。
自転車移動は意外とマイナー。健康ブームで一部富裕層や若者の間で注目されているものの、まだまだ主流ではありません。
交通事故率…実は世界ワースト2位。バイク三人乗りやノーヘルメットは日常の光景で、旅行者も移動時は十分注意が必要です。
自動販売機が少なく、冷たい飲み物が欲しいときはコンビニや屋台で。トイレも元々設置されていないコンビニがほとんどです。
トイレットペーパーは流さずゴミ箱へ。慣れるまでつい流してしまいそうになりますが、配管が詰まりやすいので絶対厳守です。
タクシーの安さは感動もの。バンコクでは初乗り40バーツ~、東京の1/3くらいの感覚で使えます。
映画代も驚きの安さ。
サービス業では「チップ文化」が根付いており、ホテルや一部レストランでは気持ち良くチップを渡せたときに「タイらしさ」を実感します。
無料の水は高級店以外にはほとんど提供されません。冷房の効きが強く、上着は一年中必需品。
飲み物を買うと必ずストローが付くので、最近は環境配慮の「紙ストロー」や「バイオストロー」を用意する店が増えつつあります。
ビールに氷を入れて飲む習慣…はじめは戸惑いますが、タイの熱気にはこれが一番!
交通違反や行政サービスでの「アンダー」も、一部で現実的な慣習として存在しています。
あちこちに広がるローカル市場(タラート)、彩り豊かな屋台グルメはタイの醍醐味。現地在住外国人向けサービスもとても発達しています。
4月の「ソンクラン(旧正月)」はタイの一大イベント。3日間にわたり盛大な水掛け祭りが繰り広げられます。
バンコクの外国人人口率は高く、世界屈指の国際都市ならではの賑やかな雰囲気。
“ご飯より屋台が楽!”という理由で自炊習慣はあまり根付いておらず、その分街中にリーズナブルな飲食店が溢れています。
主食はお米。白米以外にも「もち米(カオニャオ)」を使ったイサーン料理が人気。
バンコクでは野良犬との共存も日常の一コマ。驚くほど大人しいので、危険はあまりありません。
公共料金や住まいも日本よりはるかにシンプルで、たとえばアパート契約や引越しも手続き簡単、コンドミニアムの契約も柔軟です。
果物は1年中屋台やスーパーに並び、マンゴー、ドリアン、ランブータン、パイナップル…香り豊かな楽園です。
そして、タイ社会最大の特徴は「貧富の差の大きさ」。輸入車ディーラーや高級ホテルが並ぶ一方で、野外マーケットや屋台も共存しています。
仕事編
厚待遇なのが「有給病欠」。タイでは年30日までの病欠が労働法で守られています。
風邪でもズル休みでも給与面で安心…。日本人にはやや衝撃ですが、仕事と健康のバランスを大切にする文化だな、と感じます。
勤務時間外のプライベート時間は徹底死守。残業せず定時退社する人がとても多いです。
上下関係は比較的フラット。スタッフ同士フレンドリーなコミュニケーションを重視、お店のスタッフも休憩やスマホ操作はごく自然に見かけられます。
転職時には給料や待遇交渉も積極的で、自分で“より良い環境”を選び取る風潮も根強いです。
オンライン会議やリモートワークも拡大し、コワーキングスペースの人気も高まっています。
文化&考え&行動編
曜日によって服の色を選ぶ習慣があります。月曜は黄色、火曜はピンク…と曜日別に「ラッキーカラー」が決まっているんです。
「生まれた曜日」が重要、というのも仏教文化ならでは。
コーラ・スプライトなど砂糖入り炭酸飲料の消費量は驚くほど多いです。街の屋台でも必ず見かけます。
“快適さ”を優先して浪費しがちな傾向も。ローンや分割払いも一般的で「ちょっと贅沢」が好きな空気があります。
初対面でもにこやかに挨拶し、親しみやすい会話が自然体。「外国人慣れ」もしているので、どんな国の人ともフレンドリーに接してくれる印象です。
暑さが厳しいタイでは、朝晩2回のシャワーが普通。洗濯やアイロンがけもこまめに行い、いつもパリッとした服装が好まれます。
週末はお寺巡りや「タンブン(徳積み)」でリフレッシュ。お寺へ寄付したりお坊さんに施し物を渡したりするのも一般的です。
家族愛の強さは圧巻で、親孝行や兄弟愛をとても大切にするところは日本とはまた違った温かさがあります。
王室への敬意は法律ですら守られ、どんなシーンでも王室批判は厳禁。
女性の意見が強い場面も多く、町の商売や家庭内も“しっかり者の女性”が采配を振るうことも珍しくありません。
性的少数者への社会的理解度も高く、バンコクプライドやLGBTQ+イベントも盛ん。その寛容さは世界に誇れるものです。
以上、タイと日本の“リアルな違い”をたっぷりとご紹介しました。
どちらの国にも独自の魅力と、時には不思議でクスッと笑える文化ギャップがあります。
皆さんがもし次回タイ旅行や滞在を考えているなら、この記事の知識と好奇心を携えて現地の文化や人と、より深くつながる体験をしてみてください。
きっと今よりもっと、タイという国とタイの人々を好きになれるはずです。