タイには日本と同様に不動産デベロッパーがあり、戸建てやタウンハウス、コンドミニアムなどの住宅やショッピングモール、オフィスビル、ホテルなどさまざまな開発に携わっています。デベロッパーはタイ資本や日系、外資などの企業があり、得意の分野は企業ごとに異なります。
その中でもタイ最大の不動産デベロッパーのセントラル・パタナはグループ企業の高級ショッピングモールで有名なセントラルプラザや、セントラルホテルなどの開発を行っています。
住宅開発が得意なデベロッパーは自社ブランドを持ち、コンドミニアムはブランドを前面に出した展開をしています。この記事は、コンドミニアム購入の方の参考のために、タイで主要な不動産デベロッパーを紹介します。
タイのローカル不動産デベロッパー7選
タイの不動産デベロッパーは外国企業と合弁やタイ資本などがあります。ここではその中でもタイ資本のローカル不動産デベロッパーを紹介します。
1. Supalai PCL（スパライ）
スパライは戸建てからタウンハウス、コンドミニアムの開発を行っており１９８９年に創業されました。戸建てとタウンハウスは「Supalai Bella」、「Supalai Ville」などのブランドで、コンドミニアムは「Supalai City Resort」、「Supalai Park」などのブランドを展開しています。さらに、住宅に加えてホテルや高齢者向けの施設なども所有しています。
その中でもバンコク中心部アソークのスクンビットのソイ21に位置する「Supalai Premier Place」、プロンポンのソイ39の「Supalai place」は日本人にも人気で、シーロムに近いサムヤンに位置する高層コンドミニアムの「Supalai Premier Si Phraya-Samyan」は予約販売会の2日間で完売したほどの人気です。
2．AP Thailand PCL（エーピー・タイランド）
1984年創業で戸建てやタウンハウス、コンドミニアムの開発しているデベロッパーです。コンドミニアムは価格帯によって「Rhythm」や「Life」、「Aspire」などのブランドを展開しています。物件はBTSやMRTの駅周辺やスクンビット通りなどの主要道路多いため比較的目にするコンドミニアムです。
さらに、外国企業との開発プロジェクトも積極的に行い、これまでは日本でトップクラスの不動産デベロッパーの「三菱地所」と共同で高品質な10件のプロジェクトを完了しています。
AP Thailandの主な物件としてはタイの富裕層や日本人に人気のスクンビットソイ39の「ヴェットリオ・スクンビット39」、バンコク屈指ショッピングエリアのサイアムに隣接したラチェテーウィーに50階建ての高級物件「ジ・アドレス・サイアム・ラチャテーウィー」、バンコクの新たなオフィス街として人気を集めているラマ9世に2,200戸にも上るバンコク最大級の「ライフ・アソーク・ラマ9」などがあります。
https://www.apthai.com/th/home
3．L.P.N.Development （エルピーエヌ・デベロップメント）
エルピーエヌ・デベロップメントは１９８９年創業の中堅不動産デベロッパーです。物件は戸建てからタウンハウスを中心に開発を行っており、戸建ては1ユニット200～1,000万バーツの価格帯から「Baan365」のブランドで1,500～2,000万バーツの高価格帯の物件まで開発しており、バンコク周辺のオフィスコンドミニアムにも力を入れています。
首都バンコクを中心に「Lumpini」ブランドのコンドミニアムの開発を行っているため外国人にも馴染みがあり、日本人に人気のあるプロンポンのソイ41やオンヌットのソイ77、ラマ9世などに物件があります。
4．Noble Development（ノーブル・デベロップメント）
ノーブル・デベロップメントは1991年創業で、首都バンコクを中心に「Noble」ブランドで開発を行っています。BTSやMRTなどの沿線に多く、日本人に人気のプロンポンやトンロー、さらに、タイ人富裕層が多く暮らしているアーリーなどの利便性の高いエリアに物件があります。
戸建てやタウンハウスはバンコク郊外に「Noble Gable」のブランドで展開をしており、コンドミニアムは「Nue Noble」のブランドでプロモーションを積極的に行い、低価格の分譲住宅の販売に力を入れています。日本人に人気のスクンビットにも物件があるため、こちらのコンドミニアムの購入をお考えの方は必見です。
https://www.noblehome.com/th/home
5．Pruksa Real Estate PCL（プルクサ・リアル・エステート）
1993年創業で、戸建てからタウンハウス、コンドミニアムの開発を行っています。コンドミニアムは「The Tree、Plum」、「Plum Condo」などのブランドを展開しています。こちらの特徴としては低価格から1,000万バーツを超える高級物件まで幅広く扱っています。
また、バンコクのサパーンクワイに2021年開業したグループのVimut（ヴィムット）病院と相乗効果を期待してヘルスケア事業にも参入しています。
6．Sansiri PCL（サンシリ）
1984年創業で中高級の戸建てやタウンハウス、コンドミニアムの開発を展開している不動産デベロッパーです。コンドミニアムのブランドでは「XT」、「Line」、「Base」などで、クオリティーやデザイン性の高さや共有施設の豪華さに定評があります。
今後は、バンコクやパタヤ、プーケットをはじめタイ全土で開発を進めていく計画があります。その中でもパタヤのセカンドロードにそびえ建つ31階建ての「ザ・ベース・セントラルパタヤ」はパタヤのランドマーク的な存在で、外国人旅行者が利用するコンドミニアムとしても人気です。
7．ANANDA Development（アナンダ・デベロップメント）
タイの中堅不動産デベロッパーで創業は1999年で、日本の三井不動産と合弁事業も設立しています。こちらは高層コンドミニアムの開発を得意としてBTSやMRT駅前に「IDEO」のブランドで展開しています。これまでは、オンヌットやラマ９世、ホイクワンやスティサンなど利便性がよく比較的高額でないエリアでの開発をしています。
その中でも、チュラロンコーン大学近くのサムヤンに位置する「IDEO Q CHULA SAMYAN」は代表的な物件で40階建て1,600室の大型コンドミニアムです。
https://investor.ananda.co.th/en
日系の不動産デベロッパー3選
日本のマンションは耐震性に優れて、最も品質が高いと言われています。日本人がタイのコンドミニアムを購入する時にはどうしても日本の品質と比較しがちです。
そのような際には日系の不動産デベロッパーが開発した物件なら安心感もあるのではないでしょうか。ここでは、タイの日系不動産デベロッパーを紹介します。
1． Mitsubishi Estate（Thailand）Co., Ltd（ミツビシ・エステート・タイランド）
三菱地所のタイ拠点として2008年に三菱地所アジアを設立して、2016年からタイのローカル大手不動産デベロッパーのAP（Thailand）PCL社との合弁会社PR社（Premium Residence）で住宅開発事業を展開してきました。これまでは、PR社として「Rhythm」や「Life」などのコンドミニアムの開発に携わっています。
2020年には現地法人としてMitsubishi Estate（Thailand）Co., Ltdを設立してコンドミニアム以外にもオフィスや商業施設の開発を強化しています。
https://www.mec.co.jp/e/global/asia/
2． Mitsui Fudosan Asia（Thailand）Co., Ltd（ミツイフドウサン・アジア・タイランド）
Mitsui Fudosan Asia（Thailand）Co., Ltdは1973年にバンコクオフィスを開設して、2017年に現地法人になりました。タイのローカルデベロッパーのANANDA Development社と合弁で「IDEO」や「Ashton」といったブランドを展開して、これまでに28物件、20,000戸以上の供給実績があります。
さらに、バンコク東部にはローカルのフレイザーズ社と合弁でロジスティック施設の開発を行うなど住宅以外にも幅広い展開をしています。
https://www.mitsuifudosan-asia.com/
3． Nomura Real Estate (Thailand)Co., Ltd.
日本の大手不動産デベロッパーである野村不動産のタイ拠点として2017年よりタイのローカルデベロッパーのオリジン社（Origin Property）と共同で分譲住宅事業に参入しました。その後バンコクの鉄道路線沿いのコンドミニアムの開発に携わり、2019年に現地法人化して分譲住宅やサービスアパートメント事業を推進するとともに新規事業にも取り組んでいます。
代表的な物件としては、スクンビットソイ55トンローに30階建て約300室大規模サービスアパートメントの「Staybridge Suites Bangkok Thonglor」で、若者向け低価格物件として「ジ・オリジン」のブランドも開発しています。
https://www.nomura-re.co.jp/english/
まとめ
タイで最もコンドミニアムが多いバンコクのコンドミニアムの戸数は約55万戸と言われています。その多くがこれまで紹介したデベロッパーが開発した物件です。外国でコンドミニアムを購入するのは大きな投資ですので、ブランドを比較しながら安心できる物件を購入したいですね。
