タイの不動産の基本知識と2025年の最新相場
タイは今もなお、東南アジアの中でも不動産投資の人気国として注目を集めています。
特に首都バンコクでは、都市開発が続き、鉄道網の拡大や新たなショッピングモール建設が相次ぎ、街の景観が日々変化しています。
外国人が自由に不動産を購入できるわけではありませんが、ルールを理解して上手に物件を選べば、暮らしや投資の両面で魅力的な選択肢になります。
この記事では、2025年現在の最新情報をもとに、タイ不動産の種類や購入方法、相場感、注意点をまとめました。
これから購入を検討している方に向けて、少しでもイメージが湧くように、街の雰囲気や生活の実感も交えてご紹介します。
タイの不動産の種類
タイの住宅スタイルは日本に似ている部分も多く、主に以下の種類があります。
- 戸建て(House):郊外型が中心で、敷地に余裕のある暮らし向き。
- タウンハウス:日本でいう長屋に近く、土地を共有しながら戸建て感覚で暮らせる物件。
- アパートメント:建物全体を一人のオーナーが所有し、住人は賃貸契約を結ぶタイプ。
- サービスアパートメント:家具付き・家事サービス付きで、短中期滞在の外国人に人気。
- コンドミニアム:部屋ごとにオーナーが異なり、外国人も購入できる唯一の選択肢。
外国人が購入可能な不動産
タイでは外国人が土地を直接所有することは禁止されています。
購入可能なのは「コンドミニアム」のみで、さらに棟全体の49%までしか外国人は保有できないという規制があります。
2025年現在、バンコク中心部の人気エリアでは中国やシンガポール、ヨーロッパの投資家が多く、競争率が高いため「希望の部屋がなかなか買えない」という声も増えています。
不動産購入の流れ
(1)資金証明の準備
日本の銀行からタイの銀行口座へ「不動産購入目的」として送金します。
(2)外貨送金証明書の取得
タイの銀行で「Foreign Exchange Transaction Form(FET証明書)」を受け取ります。
(3)土地局で登記手続き
この際にFET証明書が必須となり、タビアンバーン(住居登録書)も発行されます。
最近はオンラインバンキングが進化し、送金プロセスもスムーズになった一方で、外国人が口座開設するハードルは依然として高いのが現状です。
長期ビザや就労ビザを持っている人が有利で、観光ビザのみではほとんど不可能です。
購入時の注意点(2025年版)
(1)現金購入NG
現金持ち込みでの購入はできず、必ず送金が条件です。
(2)ローンはほぼ不可
外国人はタイの銀行ローンを利用できないのが基本。全額一括払いが前提です。
(3)口座開設の難しさ
2025年現在も、外国人が口座を持つには「長期滞在ビザ」が必須。
ただし一部の銀行ではデジタルノマド向けの特別プログラムが始まり、条件次第で開設可能になりつつあります。
バンコクの不動産相場(2025年最新)
エリアごとに特色と価格帯が異なるので、自分の生活スタイルに合わせた選び方が大切です。
1.スクンビット
外国人に最も人気の高いエリア。
・1ベッドルーム(約70㎡):600〜900万バーツ(約2,400〜3,600万円)
メリット
- 日本人学校や日本食スーパーが近い
- 欧米・日本人向けの高級物件が多い
- 交通アクセスが良く生活便利
デメリット
- 物価・賃料ともにバンコクで最も高い
- 外国人が多く「ローカル感」が薄い
2.プルンチット・チットロム
高級感あふれる街並みで、欧米人に人気。
・相場:スクンビットと同水準(600〜900万バーツ前後)
メリット
- 高級ホテルやカフェが多く洗練された雰囲気
- セントラルワールドなど買い物環境が充実
デメリット
- 日本人コミュニティが少ない
- 価格が高く投資効率はやや劣る
3.シーロム・サトーン
ビジネス街でオフィスワーカーに人気。
・相場:500〜650万バーツ(約2,000〜2,600万円)
メリット
- BNH病院や日本食店があり日本人も安心
- 投資物件として需要が安定
デメリット
- 夜は繁華街の雰囲気も強く静かさに欠ける
不動産価格の安いエリア
オンヌット
スクンビット線沿いで都心にアクセスしやすいのに価格は抑えめ。
・相場:400〜550万バーツ(約1,600〜2,200万円)
メリット
- スーパーやローカル市場が多く暮らしやすい
- 外国人駐在員も増加中で治安も比較的良い
デメリット
- 都心エリアに比べてラグジュアリー感は薄い
まとめ:私自身の感想
実際に不動産情報を調べていて感じたのは、「バンコクはエリアごとにまったく違う街の顔を持っている」ということでした。
華やかで国際色豊かなスクンビット、落ち着いた高級感漂うプルンチット、活気あふれるシーロム…。
同じ首都でも選ぶ場所によって暮らし方が大きく変わります。
私自身、「便利さをとるか、ローカル感をとるか」で迷ってしまいましたが、結局は「自分がどんな生活をしたいか」を軸に選ぶのが一番だと思います。
2025年の今、バンコクの不動産市場は依然として成長の余地があり、将来的な投資価値も十分にあると感じます。
「住む場所」を考えることは、「自分のライフスタイルをどうデザインするか」に直結するのだと、改めて実感しました。